小柴 立祐
1978年生まれ フォトグラファー 独学で写真を学び、学生時代にアジアを中心に旅する。
数十か国、旅する中で、海上を家舟で暮らす民族・バジャウ族と出会い魅了される。
バジャウ族の暮らしを追い続け、コニカミノルタにて個展を開催。
以降、様々な作品を作成し、数々のコンテストで受賞を重ねる。
〇受賞歴
2013年 コニカミノルタ・フォトプレミオ
2013年 上野彦馬賞 九州産業大学賞
2015年 ニッコールフォトコンテスト 準特選
2016年 ニッコールフォトコンテスト 準特選
2018年 EPSON meetup 入選
2019年 フォトシティ・相模原 銅賞
〇写真展(個展)
2013年 「Bajau~Life above the sea~」
(コニカミノルタ)
〇寄稿
2008年 旅人の聖地 フンザ
(日本・パキスタン協会)
※旅へ出た理由:
大学生時代に探検部に入部した私は、「無人島で人は7日間生き残れるか」といったサバイバルや、滝を登ったりする「沢登り」に魅了されていました。
そんなある日、姉がオーストラリアに留学していたのをきっかけに、海外旅へ行ってみようとふと思った。
オーストラリアを横断し、そのまま香港へ渡り、さらにトルコまで再び横断する旅に出ることを決意しました。そう思い旅立った先は、刺激で溢れていた。
※写真を始めた理由:
アジアを10年旅続ける中で出会った最も刺激的な場所、それはイエメンであった。異国情緒たっぷりのこの国の人々は、独特な民族衣装を着て刃物を腰にまいて街を歩く。街自体も非現実感たっぷり。情勢が悪いため、外国人はまず見ない。私はこの国が大好きになった。
帰国して、家族や友人に興奮気味にこの国のすばらしさを語った。しかし、うまく伝えきれていない、と感じた。
そういえば、今まで旅してきた中で話てきた旅の話も本当に伝えたいことが伝えれてなかったんじゃないか、そう思えてきた。
私は、今までただの自慢話をしてきただけにも思えてきた。
私が感じた、心地よさをどうにか伝えたい、そう考えてきたときに写真で伝えることはできないだろうか?そう思い、カメラを手に私は再び旅に出た。
※バジャウ族との出会い
カメラ片手に旅を始めた私は、イエメンを超える旅感を味わえる場所を探していた。ガイドブックや旅人の情報では満足できなかった私は、なんとなくGoogleEarthで世界の地図をなんとなく眺めていた。
そこに何かがある、私を満足する情報がある、そんな期待せずただぼ~っと見ていた。すると、不思議な光景がフィリピン上空で目にとまった。 海の上にぽつぽつと何かが浮いている。
違和感を感じた私は、クローズアップして、よく観察してみた。”家”、海上に家が浮かんでいるように見える。そして、近くには小さな舟が浮いている。私には状況が整理できていなかった。WEBで検索していたものの、情報はいまいち捕まらない。ただ、明らかなことは、私の気持ちは高揚していた。ここの場所は何となくしか分からない、情報もない、情勢も分からない、でも行ってみたい。
そう思った私は、フィリピン上空の画像のみをプリントアウトして、フィリピン・ミンダナオ諸島へ旅立った。
後に分かることだが、そこに住んでいた人々はバジャウ族であり、これが私との出会いのきっかけであった。
※写真家としての始動
バジャウを訪れた私は彼らに惹かれ、彼らの暮らしをみて彼らの写真を撮り続けた。彼らに惹かれる自分、それが何かはわからないけれど、バジャウは”何か”大切なものを持っていて、一方、自分はそれを失いかけているのではないかと、直感的に思った。
いつしか、「自分の人生にとって本当に大切なものは何か」ということを考えるようになった。
経済的に苦しい生活を送るバジャウ。その足りないものを補うように互いを思い合い、助け合って生きている彼らを見ていると安心するし、なにより心地がいい。いつしか私にとって大切なものの理由が何なのか。を知りたくなっていた。
写真を撮るという行為は、無意識のうちにその時私が本当に求めているものが映し出されると思う。そして、撮った多くの写真を見かえすことによって、その答えを見つけそうとした。
バジャウのありふれた日常を通して、自分の人生にとって大切なものを映し出していると感じた写真をコニカミノルタ社へ持ち込んだ。結果、コニカミノルタ社より展示開催費用を御支援いただき、個展へ至る。
以降、廃墟や花、動物園といった作品群を作成し、数々の賞、受賞に至り写真家の道を歩み始めた。
※今後の展望
世界中の人々との出会いを求め、旅を続け、人々の表情やその瞬間の雰囲気を写真として納めたいと考えています。「人生にとって一番大切なことは何ですか?」と出会った人々にこの質問を投げかけ、彼らの回答とともに撮影した写真を集め、写真集としてまとめることを検討しており、また、SNSやウェブサイトを通じて多くの人々に共有していきたいと考えています。
多様な人々との出会いを大切にし、彼らの物語を通じて、世界中の文化や豊かさを感じ取ってもらえるように努め、また、その情報を多くの人々と共有することで、世界の多様性や文化を広めていきたいと考えています。